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辻井伸行氏 ショパンリサイタル

謹賀新年

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今年の聴き初めは、何年も前から狙っていたのにチケットが手に入らなかった辻井伸行氏のリサイタル。ようやく手に入れたチケット、何ヵ月も前から楽しみにしていた。会場はコンパクトだが、私的にはとても好きな鎌倉芸術館。聴く前から胸が高まるアーチストは久しぶりだった。

会場が暗くなり、辻井氏が登場する。不思議なくらいドイドキ・ワクワクした。出てきた!テレビと同じだ!!

世の中の森羅万象・・・辻井氏には、どのように映っているのだろう?

想像すればするほど、私の脳ミソは質問だらけになる。想像するほどに絶する。辻井氏の脳裏や心を・・・視覚的に見ることが出来たらいいのに。私の場合は視覚野に依存している部分が多いので、辻井氏のようにそれ以外の分野を中心に描かれている世界を知りたくなる。見てしまうことだけに頼っている私のワンシーンよりも、繊細で…深く…広い…未知の世界。

 

始まった…並んだ鍵盤全てがひとつずつの音を持ち、辻井氏の指によってどんなかすかな一音もごまかすことなく奏でられている。私は絵の世界にいるが、デッサンの時に“影は塗るのではなく線を重ねて描く”ように言われた。辻井氏のピアノは、そんなタッチの音で描いている気がする。生地に例えると、シルクオーガンジーかな。透明感があって特有の張り感もあるのに、しなやかで他の生地では表現できない光沢がある。

ショパンリサイタルなので当然ショパンに因んだ曲が演奏されたが、3度に渡るアンコールのラストでは、リストの『ラ・カンパネラ』を閃光が迸るように弾かれた・・・全身ゾワゾワと、まさに鳥肌もの!を体験した。感動!

 

次回は、2月にある辻井氏とバイオリニストの“究極の協奏曲コンサート”だ。

今から心が躍っている。

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