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粋なコースター

長崎で『活鱗房 仁(かなめ)』という和食レストランへ行った。

従業員の方達も感じ良く、店内の雰囲気も良かった。特に素敵だったのがテーブルごとに手元を照らすペンダントライトで、全部形や絵柄の違う九州佐賀県の有田焼で揃えられていた。

着席するやいなや、生ビールをオーダーする。男性ウェイターがコースターをテーブルへ並べにきた。四角く折られたコースターには筆で何か書いてあって、その横には朱印。ちょっと目を引く洒落た感じだ。象形文字みたいになっているので最初は店のロゴマークかと思ったが、暫く見てると漢字が浮き上がってくる。裏面には漢字の由来が書いてある。

再びウェイターが来て、泡のバランスが絶妙な生ビールをその上へ置いて行った。美味しい料理も頂いて、食後のデザートと会話を楽しんでいるとウェイターが空いたグラスを片付けにきた。何気なく『漢字はこれだけ?』と聞くと、『お待ちください』と言ってその他の4種類の漢字コースターを持ってきてくれた。『これ持って帰ってもいいですか?』と確認すると、私が使わせてもらった漢字と同じコースターを、もう一枚持ってきて『綺麗なものをお持ち帰りください』と5種類揃えてくれた。

 

 

『明』・『遊』・『旨』・『楽』・『喜』

5種類の、粋な心をもらった。

 

長崎

久し振りで長崎へ行った。以前は祖母の故郷が長崎の佐世保なので、母亡き後に所用の代行で3回ほど行っている。今回は、知人が『ねんりんピック(60歳以上の方々を中心とした健康と福祉の祭典)』のソフトボールに、神奈川代表で出場することになり その応援だ。

共通の友人と二人、長崎珍道中・・・。友人といっても。彼女の年齢は私より上で、35年近くおつきあいいただいているので、どちらかといえば身内的な存在だ。

空港からは、いつものようにレンタカーを借りて移動する。長崎市街地は路面電車が通っているので、横浜や横須賀とは若干勝手が違う。友人の寿命を縮めてしまったようだ。

今回の目的は、応援のはずが・・・天気予報にはなかった突然の雨により、初日の試合が中止になってしまった。日頃より『雨女』の異名を持ち、数々の功績(?)をあげている私は何となく『ごめんね』と言ってしまうのだが、もはや誰も否定はしてくれない。

・・・(T^T)

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試合の中止で、思わずいろいろな観光が楽しめた。稲佐山の展望台、思案橋のチャンポンの昼食、付近の地元商店街でのショッピング、眼鏡橋、有名なのに一度も行ったことがなかった平和公園、文明堂総本店、夜は電車に乗って諫早方面へ行き地元居酒屋で美味しく呑んで、締めは居酒屋で紹介してもらったカラオケバーで盛り上がり、終電にギリギリ駆け込んでホテルへと・・・行き当たりばったりだった割には、とても充実した長崎となった。

 私たちの二泊三日長崎は、最終日にようやく目的であったソフトボールの応援に駆けつけることができた。結果は圧勝だったが帰りの飛行機時間が間に合わなくなるので、二回戦の観戦は断念した。その後の報告では二勝したが残念ながら、それ以上の連勝はなかったようだ。

久保田一竹美術館

久し振りに行った、久保田一竹美術館。

かれこれ6-7回は行っただろうか?

一 竹氏の作品『一竹辻が花染め』の着物が素晴らしい事は言うまでもなく、視れば視るほど気の遠くなる作品の深さと重さが伝わってくる。表現のしようがないほどの果てしない時空を想像すれば、私ごときが何かを口にした分だけ伝えたい事が屈折してしまうような気がする。ただ視れば良いのだ。自ずと心が視るのだから・・・。