金沢市
- 2015/11/20 10:55
- カテゴリー:日々つれづれ
金沢の町を歩くのは、初めてだった。
有名な兼六園ももちろん初めてで、職人が駆使して整備している様子が伺えた。手入れは行き届き、私たちが行った時には松を『こも巻きと雪吊り』にする冬支度の最中だった。紅葉にはまだ僅かに早く見ることが出来なかったが、景観の素晴らしさは容易に想像がつく。私が気に入ったのは、日本最古といわれる噴水だ。池より水源を引く噴水は池の高低差を利用した自然の水圧によって噴出しているらしい。空間の美しさのだけではない、日本人らしい知恵があった。
兼六園での待ち合わせ場所[桂坂口]を出たところで、黄金のソフトクリームを販売していた。金沢の金箔がクリーム全体に貼付けてある。記念に…と思って1000円のソフトクリームを購入した。この話をすると、みんなが決まって『どんな味だった?』と質問するのだが、味は至って平凡で普通のバニラ味だ。翌日どれだけ黄金に輝いているか期待したが、鏡の中の私も至って平凡で何ら変わりなかった。
金沢の街並みは情緒があって、とても粋な印象を受けた。街そのものが工芸的というかアートな感じで、柳の木ですら花札的だ。金箔張りの蔵の中には、金箔を施したアクセサリーや土産雑貨が並ぶ。美しい輝きと軽やかさがその魅力だ。錆びない美しさは、なんとも羨ましい。
想像とは違ってとても楽しかったのが妙立寺。忍者寺といわれているが、解説の始めに忍者は無縁であることを説明される。私はてっきり、忍者の格好をした人がパフォーマンスでもするのかと思っていたので、『忍者寺』といわれる所以でもある見所を案内されると…その時代にあった緻密な策略と創意工夫された技術が面白く、それはまるで…昔持っていた寄木細工の『からくり箱』みたいだった。
金沢…じっくり、ゆっくり、また行きたい。